法科院生弥生殿見聞録

だいたい愚痴しか書いてない。

我々の選択

「貴女がこのグループに居なければよかったのに。このグループで貴女と出合わなければ良かったのに。」

 

 もしかするとこう思う人がいるのではないだろうか。メンバー自体は良いのに運営が無能で関わりたくない、楽曲が合わない、空気が合わない、実は他のメンバーが嫌い。現場に行かなくなる理由はそれぞれであろう。

 

 「じゃあ、あたしがこのグループから辞めれば、推してくれるの?」

 

 「ああ。それもいいかもしれないな。今の環境にいるよりはずっと。もっとも・・・その先はどうするんだい?仮に別グループに幸い入れたとしても私の好みにあうコンセプト・曲がなかったとすれば?」

 

 これは一番の問題だ。私はかつて・・・コンセプトと「推し」の「せめぎ合い」の末に離れたことがある。結局その時の迷いは払拭されたし、判断は間違っていなかった。

 

 「それは・・・」

 

 仮に「そのコ」が「そのグループ」でなかったとしたら、出会い方が違っていたとしたら。「確実に」推しだったかもしれない。いやそうだろう。

 しかし、これは両者にとって「賭け」だ。 

 アイドル側からすれば自分が努力してなんとか変えた環境がオタクにウケてくれるかわからない。 

 オタク側からすれば、環境が変わったのは良いが新しい環境に自分が適合できるかわからない。

 1か0しかない。メンバーとオタクの両勝ちと両負け。ただ両負けになったとしても、元の環境が悪い────どころか劣悪のレベル────であれば、「両負け」になったとしてもダメージが軽減されるならそれもまた────「戦術的勝利」とみなしても良いかもしれない。

 少なくとも。一番の推しでなくとも────いくつか行くグループの中でのあるグループの「推し」と言えるかもしれない。それもまた一興。

 

 「Alea jacta est.(賽は投げられた。)」